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笹幸恵
2015.7.7 03:02

引揚桟橋

先週の話になりますが、

舞鶴に仕事で行ってきました。

引揚記念館は半年前に行った(現在はリニューアル中)

ので、今回は近くにある引揚桟橋へ。

そう、あの「岸壁の母」で知られる桟橋です。

 

復元された桟橋は、かなりこじんまりしています。

当時は桟橋がずっと延びていたようです。

湾内に杭らしきものがたくさんあるのは、

その名残ではないかと思うのですが、

正確なところはわかりません。

 

私の祖父は、ソ連の抑留から帰ってきた一人でした。

私がハタチくらいのときに亡くなりました。

滅多に会わず、会っても山形弁バリバリで、

ほとんど意思の疎通ができませんでした。

また、かなりファンキーなじいちゃんで、

バイクをかっ飛ばしてドブに突っ込んだり、

入院したらしたで、「コーラが飲みたい」という理由で

病院を脱走したりしていました。

祖母亡き後、一時期我が家で生活を共にして、

そのとき戦争の話を少しだけ聞きました。

方言から何とか聞き取れたことは、

満洲にいたこと、部隊とはぐれて木の上で

生活していたこと(よもや脱走じゃないだろうね)、

他の部隊に救い出してもらったこと・・・。

翌日、もっと詳しく聞いてみようと思ったら、

家出していました。

(最終的には、叔母の家で生活していました)

 

その祖父も、もしかしたら内地の土を踏んだのは

ここ舞鶴だったかもしれません。

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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